職場ハラスメント(パワハラ、モラハラ、職場いじめ、問題上司)の対処法

ハラスメント被害への人事対応

ハラスメント被害の訴えがあった場合、まず大切なことは、必ず当事者双方(加害者・被害者)からヒアリングを行うことです。ポイントは、当事者の3者面談とはせずに、個別に事情を聞いてください。

ヒアリングの内容は、次のようなものです。

被害スタッフ ● ハラスメント行為の内容
● ハラスメント行為の証言者(同僚など)の有無
● 体調不良の有無
● 医療機関の受診状況(診断書の有無)
● 医師などの専門職のあっせん希望の有無
● 心的支援(カウンセリング・コーチング)の希望の有無
● 異動や配置替えの希望の有無
加害スタッフ ● 日常の被害スタッフとのかかわりについて
● ハラスメントと指摘された行為への弁明
● 体調不良や医療機関受診を知っていたか?
● 仕事におけるストレス状況
● 私生活でのストレス状況
● 今後の被害スタッフへの対応をどうしたいか?

当事者へのヒアリングにおいては、担当者は必ず「傾聴」しているという姿勢を見せてください。

29ILAD23被害スタッフは、人事担当者にきちんと話を聞いてもらえた、と感じただけで、辛い気持ちが救われることも少なくありません。反対に、話を聞いてくれない、と感じると、それが怒りや不満を増幅させてしまい、訴訟に発展したりと、解決がさらに難しくなります。

加害スタッフも、しっかりと弁明の機会を与えることで、自ら「気づき」が生まれることがあります。それがなかったとしても、初回のヒアリングでは、まずは冷静に加害者事情を傾聴してください。そのうえで、「ハラスメントとは、相手に必要以上に精神的負担を与えること」であるという説明をして、それに対しての考えをヒアリングしましょう。

そして、複数回の面談やヒアリングの結果をもとに、できるだけ公正に対処してください。「公正な対処」がわからない場合は、専門家を活用しましょう。

処罰にあたっては、加害者が被害者に「報復」できない状況を作り出すことが一番大切です。処罰後も、当事者を同じ部署で働かせることは絶対に避けてください。


社会保険

2010年5月号から12回連載しました