職場ハラスメント(パワハラ、モラハラ、職場いじめ、問題上司)の対処法

職場ハラスメントの見抜き方

パワーハラスメントやセクシュアルハラスメントであれば、ハラスメント行為が起きているかどうかを見抜くことは、それほど難しくありません。しかし、ハラスメント行為が静かに行われる職場いじめやモラル・ハラスメントについては、それをきちんと見抜くことができる管理者が少ないのが実情です。

29ILAF03被害を訴える社員から「こんな酷いことをされた」「○×で悩んでいる」などの苦情や相談を受けて、「どうしてそんなことが我慢できないの?」「最近の若い人は我慢が足りない」などと思ってしまったことはないでしょうか?そして、「そのくらいは我慢しなさい」というような対応をしてしまったことはないでしょうか?

確かに、多くの場合で、「なんでそれくらいのことで?」と思えてしまうのが実情です。しかし、じめじめと・陰湿に行われるモラル・ハラスメントの被害者は、その些細なことの繰り返しで、心の傷を深めていきます。

しかし、そんな微妙なモラル・ハラスメントを見抜く方法があるのでしょうか?

結論から先に言えばあります。私が考える、モラル・ハラスメントを見抜くために有効な3つのポイントは次のようなものです。

◆ 被害者の体調不良
被害者は、繰り返された精神的嫌がらせによって、加害者を見るだけで体が震えるなどの状態に陥り、胃痛・生理不順・不眠など体調不良を抱えることになります。被害者が抱える体調不良こそ、長期間にわたるモラル・ハラスメント被害を受けてきたという大きな目安になります。

◆ 被害者の性格、考え方
29ILAU04被害を訴える人の中には、相手が100%悪いと信じ込んでおり、自分を変えることで、人間関係や状況を改善する努力をほとんど示さない人がいます。このような人たちは相手への怒りに支配されており、その攻撃的ともいえる怒りが、対人衝突を過激化させていきます。

このようなタイプの人たちは、往々にして、上手くいかない人間関係は全て相手のせいだと考える傾向にあり、結果的に職場で多くの問題を引き起こします。このタイプの人にとっては、モラル・ハラスメントは、使い勝手のよい「相手を責めるための言葉」です。

しかし、これだけで判断しては絶対にいけません。人は心理的に追いつめられると、一時的に攻撃的になったり、相手の立場で考えたりすることができなくなります。普段は温厚であるのに、モラハラ被害によって、神経的に敏感になり、過度の攻撃性を示す人も決して少なくありません。

◆ 加害者の前科
これが最も重要な判断基準となります。客観的にハラスメントを見極めるために、加害者とされている人間が、過去に同じような問題を引き起こし、複数の人間を退職やメンタル疾患に追い込んでいるかどうかの事実を確認しましょう。

ハラスメントの加害者は、自己愛性格や慢性ストレスなどから、相手に共感することができないので、この「自制」が働かず、執拗な攻撃を繰り返します。だからこそ、被害者は一人だけということでなく、何人も生まれることになります。

最も客観的にモラル・ハラスメントを見抜くポイントは、「加害者が過去にどれだけ同じような問題を引き起こしているか」です。これが最重要です。


社会保険

2010年5月号から12回連載しました